【批准記念日の集い】

〜子どもの権利条約批准20周年・批准記念日の集い〜

集い① 集い②

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(要旨)
日時:2014年4月22日(火) 12:00~13:45
会場:参議院議員会館1F 101会議室
主催:子どもの権利条約批准20周年キャンペーン実行委員会

【プログラム(発言順)】 
「批准20年」各界意見交換会(12:00~13:10)
*挨拶
子どもの権利条約批准20周年キャンペーン実行委員会代表 喜多明人氏
*NPO
東京シューレ代表 奥地圭子氏/東京シューレOG 浦野了琴氏
CAPセンター・JAPAN 長谷有美子氏
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 津田知子氏
国際子ども権利センター(シーライツ) 甲斐田万智子氏
チャイルドライン支援センター 高橋俊行氏
子どもの権利条約ネットワーク 荒木悦子氏
*国会議員 
小西博之参議院議員(民主党)
宮本たけし衆議院議員(共産党)
泉健太衆議院議員(民主党)
田村智子参議院議員(共産党)
小宮山泰子衆議院議員(生活の党)
馳浩衆議院議員(自民党)
薬師寺道代参議院議員(みんなの党)
林久美子参議院議員(民主党)
神本美恵子参議院議員(民主党)
小林鷹之衆議院議員(自民党)
斉藤嘉隆参議院議員(民主党)
大島九州男参議院議員(民主党)    ※御本人のみ
*関係省庁 
外務省 総合外交政策局人権人道課兼人権条約履行室 主席事務官 図師執二氏
内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付(青少年担当) 調査官 小山浩紀氏
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 総務課 虐待防止対策室長/東日本大震災の被災地子ども支援室長 川鍋慎一氏
文部科学省 大臣官房国際課 国際協力企画室長 永井雅規氏
「条約実施・普及の声明」記者会見(13:10~13:45)
•喜多明人氏(早稲田大学教授/子どもの権利条約批准20周年キャンペーン実行委員会 代表)
•尾木直樹氏(教育評論家)
•坪井節子氏(弁護士)
(司会 子どもの権利条約ネットワーク 林大介)

【発言メモ(発言順)】
<NPO>
○子どもの権利条約批准20周年キャンペーン実行委員会代表 喜多明人氏
この4月22日が批准記念日ということで、こういう集会を開いています。この時期は大変忙しく、5月5日の子どもの日にイベントを行うことが多いですが、あえて今日行うことで20周年を迎えたいと思います。また、今年は、国連で条約が採択されて25周年という節目の年でもあります。現在、批准国は、194か国。本日は、特に国内の問題に焦点を当てた意見交換会にしたいと思います。

○東京シューレ代表 奥地圭子氏
フリースクールには、不登校であったり、個性が豊かで今の学校教育には合わない子どもたちが来ています。教育を受ける権利を保障する活動をこれまで何とかやってきました。その間、子どもの権利条約には大変支えられてきましたが、現状はとても厳しいです。学校が苦しい子ども達が多い中で、他の選択肢を選べるようにすることが必要だと思います。子ども達は、多様に成長していきます。議員の方々や、文科省の方々の理解が進んでいければと思います。

○東京シューレOG 浦野了琴氏
私は、フリースクールに入るまで、自分に権利があることを知りませんでした。学校の教科書には自分にも当てはまるものとしては載っていませんでした。もっと早く知っていれば、心が楽になったのだと思います。もっと知る機会が増えればいいなと思います。また、周囲の大人も知っている人があまりいませんでした。フリースクールで、子どもの権利条約を自分たちの視点で学び、不登校の子どもの権利宣言を作成しました。仲間と不登校になり、休む権利を守ることによって、公的な支援を得ることができませんでした。自分の権利を知り、守られることが大事だと思います。私はこれからも広めていく活動をしてきたいと思います。

○CAPセンター・JAPAN 長谷有美子氏
CAPはプログラム提供を通じて、子どもへの暴力防止活動を1995年から実施し、日本ではこれまで470万人以上のおとなと子どもが参加してきました。子ども達は、家庭でも学校でも地域でも、あらゆる暴力にさらされています。虐待もいじめも、体罰も、いろいろな問題は同じ根っこであり、力の不均衡があり、子どもの人権侵害です。子どもたちがあらゆる暴力を受けずに、安心できる環境で成長していくことをめざすならば、この社会の中で、おとなも子どもも、起こってからの対応ではなく、予防の視点をもっていく必要があると感じています。手を取り合っていきましょう。

○セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 津田知子氏
セーブ・ザ・チルドレンの活動は1919年にイギリスでスタートし、現在世界約120か国で活動しています。創始者が子どもの権利を唱えたこともあり、その実現を目指しています。国内では、東日本大震災の被災地である東北の子ども達に焦点を当てています。2011年5月下旬に1万人の子どもにアンケートをしたところ、9割の子ども達が、まちづくりのために何かをしたいと回答しました。しかし、実際には、意見を表明する場や復興プロセスに参加する機会が十分保障されていません。復興に向けてだけではなく、子どもを取り巻く課題に、子ども自身が当事者として意見を言えることは当たり前のことだと思います。新たな第1歩にしていきましょう。

○国際子ども権利センター(シーライツ) 甲斐田万智子氏
1992年に設立し、南の子どもの権利侵害(児童労働・性的搾取・人身売買)に対する国際協力活動と共に、日本においては、条約の普及活動を続けてきました。日本社会で、十分に権利条約が普及されていないため、子どもの権利をベースにしたアプローチが世界的に重要視されてきているにも関わらず、政府開発援助においても、NGOによる国際協力においても、十分に位置づけられていません。子どもの権利委員会が日本政府に出した勧告の中で、子どもに対する暴力へのフォローアップの指摘があります。これに対して、子どもから意見を聞きながら、データ収集・研究と広報活動が必要だと思います。性的搾取の問題についても、取締強化などの勧告で指摘されている点についての取組みが必要です。

○チャイルドライン支援センター 高橋俊行氏
チャイルドラインは、15年間日本で活動を続けてきました。子ども達の話し相手になることで、気持ちが少しでもすっきりすることを大事にしてきました。現状として、自分のことが嫌いだという子どもが増えています。大人が自分をわかってくれないと。家庭の中の話も増えてきています。子どもを守るという視点で、家庭であったり、学校であったり、子どもの意見を交えながらやっていくことが大事です。チャイルドラインは、子どもの意見表明権を聴くことにもなります。

○子どもの権利条約ネットワーク 荒木悦子氏
1991年の設立当初は、子どもの権利条約の批准に向けた活動をし、その後は、条約の普及に努めてきました。子どもの権利に関する情報をニュースレターを通して発信するとともに、権利条約全国フォーラムを呼びかけ、昨年は21回目の大会になりました。今年もフォーラムを開催していきます。

<国会議員から>
○小西博之参議院議員(民主党)
子どもの権利条約批准20周年に、心より敬意を表します。超党派でいじめ防止法を成立。先日、国会で下村文科大臣に「子どもの権利条約の趣旨を踏まえていくことでよろしいですか?」と質問したところ、「権利条約の趣旨は、憲法と一致するものであり、成立後もしっかり文科省で取り組んでいく」という回答をいただきました。子どもの権利条約は、子どもの皆さんのものです、社会のみんなで大切にしていきましょう。

○宮本たけし衆議院議員(共産党)
20年経って、子どもの権利条約の実行状況は、残念ながら恥ずかしい限りだと思います。OECDの中での、日本の教育への支出は最低レベルです。一方で、子ども達を競争教育に追い込む現状があります。休む時間・遊ぶ時間が奪われています。しっかり安心できる環境整備にこそ、お金を使うべきだと思います。子ども達の人格の完成を目指して、やっていきましょう。

○泉健太衆議院議員(民主党)
子ども・若者ビジョンの主体は子どもです。大人が上からの目線で保護するのではなく。子どもの問題を発生させているのはだれか。それは大人であることが多数です。居場所を創る権利、学校を創る権利があって当然だと思います。決められた箱の中ではなく、みんながいける場所をつくっていく。こういう場所が絶対に必要だと思います。

○田村智子参議院議員(共産党)
子どもの権利条約が批准されるときに、運動をしてきました。子どもには、意見を表明する権利があり、それを尊重しなければなりません。遊ぶ権利・休む権利をどう保障するかが大事なのに、なかなか変わりません。子ども自身が参画して、チェックし、皆さんと一緒につくっていきたいです。

○小宮山泰子衆議院議員(生活の党)
批准から20年経って、やらねばならないのが、国内の対応だと思います。生存・保護・発達・参加という4つの柱をきちっと実行し、子ども達自身が声をあげられるようにしていくことが大事だと思います。そのための環境整備を、大人社会をつくっている大人側が責任をもって担っていくことが必要です。子どもの権利が守られる社会にしていきましょう。

○馳浩衆議院議員(自民党)
今後ともよろしくお願いします。

○薬師寺道代参議院議員(みんなの党)
子どもの権利条約の実現が大きな願いです。一人親家庭での貧困の連鎖が深刻です。お金がないから、教育が受けられない。子どもと接する時間がもってない。そういった家庭の子ども達を、地域で、みんなで守っていくことが大事です。子どもの権利条約が絵に描いた餅にならないように、今後もやっていきたいです。

○林久美子参議院議員(民主党)
虐待の問題も交通事故の問題も、体罰も、いじめも許されることではありません。いじめ防止法の法案もいろいろがご意見をいただきながら進めてきました。

○神本美恵子参議院議員(民主党)
子どもが権利の主体として、法律の中でも位置づけられることに力を注いでいきます。自己肯定感の低下について指摘されているが。新自由主義的な政策が、自己責任に全てを期す形になっていることが大きく影響していると思います。20周年を記念した集まりをみんなで頑張っていきたいと思います。

※斉藤嘉隆参議院議員(民主党)、大島九州男参議院議員(民主党)、小林鷹之衆議院議員(自民党)の各氏も御出席されましたが、御公務による途中退席のため挨拶をいただくことができませんでした。

<関係省庁>
○外務省 総合外交政策局 人権人道課兼人権条約履行室 主席事務官 図師執二氏
国内での取り組みとしては、定期的に条約の義務を果たしているか、子どもの権利委員会に報告していきました(これまでに計3回)。次回の報告は、2016年の5月になります。その際には、市民の方々、NGOの方々とも対話を行いながら進めて行きます。また、性的搾取に関する選択議定書や武力紛争に関する選択議定書も批准し、ODAによる支援を行ってきました。

○内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付(青少年担当) 調査官 小山浩紀氏
政府全体で、子どもの育成支援をする総合的な調整をしています。この子ども・若者育成支援ですが、特徴は、国や地方公共団体の枠組みを整理することです。これからも、子どもの権利条約にのっとり、全ての子ども・若者を支援対象とし、法律に基づくネットワークを構築していきたいと思います。

○厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 総務課 虐待防止対策室長 東日本大震災の被災地子ども支援室長 川鍋慎一氏
児童虐待防止法は、超党派で作成し、これまでに4回改正を行ってきました。まずは、子どもの命・安全を最優先に考え、全員参加で取り組んでいきます。また、子どもを取り巻く地域のネットワークの構築も行っています。子どもが生まれ育っていく時に、相談できる体制をつくっていきたいと思います。

○文部科学省 大臣官房国際課 国際協力企画室長 永井雅規氏
行政の切り口から、教育を通じで、子どもへの教育保障に取り組んできました。一つ一つの課題に対して、どう取り組んでいるのか、改めて条約を読んで、その趣旨を理解することが非常に重要だと感じています。

【記者会見】
○喜多明人氏
「子どもの権利条約の実施と普及を進める声明」の説明

○尾木直樹氏
1994年に坪井節子さんと僕ともう一人で、NHKで2週連続にわたって、子どもの権利条約の特集を担当しました。それがきっかけで、現場の教師を辞めました。NHKでは、結構いいことを言っても、現場に帰ると体罰の嵐で、ストレス性の狭心症となり、やめざるを得なくなりました。それくらい、現場ではなかなか受け入れられません。朝日新聞で、文科省と対談をしたとき、子どもの権利条約には、広報義務があると伝えたら、「尾木さん心配ないよ」と言われました。しかし、実際現場には全く届いていません。一方で、子どもの権利条約が大きな武器にはなっているのです。まだまだ未熟なところはあるけれど、大きなステップになったと思っています。権利条例などができ、地下水はたくさんできてきているが、学校現場にそれが噴出してきません。ヨーロッパでは子どもの主体性が日常になっています。わが国では、文科省が前面にたって取り組んでいません。文科省の言う事は、現場(教育委員会、学校)はきちんと聞くので、いい権力を行使していただきたいと思います。子ども達は、仲間であり、パートナーシップが大事なんです。それこそが、成熟した市民社会だと思います。共に、子どもに頼ることもしながら、やっていきましょう。今の若者たちは、大人の枠を超えた、個を尊重する生き方を始めています。楽しく生きていきたいと思います。

○坪井節子氏
尾木直樹さんと並んで20年前を思い出してきました。子どもの権利条約が採択されたとき、初めて知り、もの凄いショックを受けました。権利条約は、子ども達のことをこんな風に語っています。「子どもは、一人の人間であり、学ぶ権利、遊ぶ権利がある。一人の人間として、社会の中の重要な構成員として、共に生きる権利がある。」と。弁護士として、いじめ・不登校で苦しむ子どもたちと関わっていたが、この条約を知った時に何もわかっていなかったなと衝撃でした。20年経って、残念ながら、省庁の努力にもかかわらず、まだまだ知らないのが現状です。私は、20年間ずっと子どもの権利条約の条文が書かれている冊子を持ち続けています。あらゆる場面で、困ったときには、権利条約を開きます。すると何をすべきかがわかります。憲法の本当の意味を考えるのと同じです。子どものシェルターを10年前につくりました。虐待をされて、追い出されて、売春・非行に行かざるを得ない子どもたちがたくさんいます。子どもシェルターは、そういった状況の中で、たくさんの市民の方たちの力で生まれました。現在では、神奈川・愛知・広島・福岡・札幌・千葉など全国に広がっています。夢を失わずに生きていく。一人の子どもも傷ついたまま生きていけない。生まれてきてよかった。みんなが一緒にいるよ。どんな子どもも保障される社会になるために、やっていきたいと思います。大人を信じられない子どもたちが、シェルターにきて、ふと言う時があります。初めて雨や風の音が聞こえたよと。初めて空を見たよと。本当は愛されたい。子どもを一人ぼっちにしない。これからも歩んでいきましょう。

○喜多明人氏
今日は批准記念日として、国家議員・政府関係者・市民の方々に話してもらいました。今日の趣旨をご理解いただいて、地方でのイベントも含めて、条約批准20周年を目指して、今日は出発点として、意義を考えていけたらいいと思います。

○林大介氏(司会)
本日は、NPOや国会議員、関係省庁をはじめ多数の御参加をいただきありがとうございました。本日の会合の模様はユーストリームで配信し、アーカイブをご覧いただくことができます。みなさんのお知り合いにも、この集会の模様をお知らせいただければと思います。以上をもって本日の集いを終了いたします。